はじめに

この資料は Rust 製のコマンドラインツール sd について紹介するものです。

Rustの環境構築やツールのインストール方法については以下を参照してください

Rust開発環境を整える

sd について

sd は直感的な検索・置換コマンドラインツールで、テキストを解析・変換するsed コマンドの代替ツールです。コマンド名 sd は Search and Displace から由来しています

GitHub - chmln/sd: Intuitive find & replace CLI (sed alternative)

なぜ、sed ではなく、sd を使うのか？

• 簡単な正規表現 sdは、あなたがJavaScriptやPythonで既に知っている正規表現の構文を使っています。sedやawkの癖を気にすることなく、すぐに生産性を上げることができます。
• ストリングリテラルモード 正規表現によらない検索と置換。バックスラッシュや、どの文字が特殊でエスケープが必要かを覚える必要はありません。
• 読みやすく、書きやすい 検索と置換の式は分割されているので、読みやすく、書きやすい。スラッシュのエスケープや非閉鎖を気にする必要はありません。
• スマートで常識的なデフォルト デフォルトは常識的なもので、日常の典型的な使い方に合わせたものになっています。

sd と sed の比較

sd は sed より簡単に処理を実行することができます。

• すべての出現箇所を置き換える
  • sd: sd before after
  • sed: sed s/before/after/g
• 改行をカンマに置換
  • sd: sd '\\n' ','
  • sed: sed ':a;N;$!ba;s/\\n/,/g'
• スラッシュを含む文字列から、何かを取り出す
  • sd: echo "sample with /path/" | sd '.*(/.*/)' '$1'
  • sed: マンドが完全に読めなくならないように、式によって毎回異なるデリミタを使用
    • echo "sample with /path/" | sed -E 's/.*(\\\\/.*\\\\/)/\\1/g'
    • echo "sample with /path/" | sed -E 's|.*(/.*/)|\\1|g'
• ファイルの内容を置換
  • sd: sd before after file.txt
  • sed: 　-i -e オプションを使うのを忘れないようにしないと、プラットフォームによっては次の引数をバックアップのサフィックスとみなしてしまいます。 また、-ie とオプションを指示すると意味が異なってしまいます。
    • sed -i -e 's/before/after/g' file.txt

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